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紙枕の中にある

本とエッセイ

世界SF全集、という文字の海

世界SF全集

≪世界SF全集との遭遇≫

僕が世界SF全集という存在を知ったのは、岡田斗司夫の書棚を見たときだった。

予備校時代にアニメの批評にハマり、ネット上で彼のコンテンツをよく視聴していた。

その中で彼の書斎に整然と並ぶ、いかにも風格のある本の群れがあり、いつか自分も本棚に同じものを並べてみたいと思った。

彼が世界SF全集を本棚に並べている理由としては、

「見た目がカッコいいから」

というのと

「SFが好きだから」

というごくごく単純な理由で呆れたのと同時に、憧れた。

 

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(右側の本棚にSF全集が並んでいる。これをみて、本の内容がすごく気になった。)

 

今となっては、氏に対する眼差しが全く違うものになったけれど、彼がこの本を教えてくれたことに変わりはない。

大学に合格してから、念願の世界SF全集は無事ヤフオクで全巻揃えられた。

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(並べてみるとまさに圧巻。全35冊で20,000円。高、…安いッ!)

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(背の部分。この双曲線かメビウスの帯を切り取ったかのような数学的デザインが好きです。)

 

ただ、集めたのはいいけれど、肝心の読書はまったく進行していない。

なのでこのブログを通して全巻読むのがひとまずの目標になっている。

この果てしない文字の海を泳ぎ切ったとき、僕はどうなっているだろう。

途中で止めないといいけど。(フラグ)

 

≪刊行年の主な出来事≫

ちなみにこの世界SF全集が刊行された年は、1968~1971年である。

世界史的には、東西冷戦が一時緊張緩和状態になった年代だ。

この“68~71年”というのが調べてみると、なかなか大ニュースが目白押しの年代で、

 1968年は、川端康成ノーベル文学賞を受賞したり、東大紛争、3億円事件が起きた。洋画では「2001年宇宙の旅」や「猿の惑星」が大ヒットした。また週刊少年ジャンプが創刊した年でもある。

 続く1969年といえば、アポロ11号が人類初の月着陸を果たした年で、サザエさんが放映開始されたりもした。

 1970年は、いわゆる大阪万博が開催され、三島由紀夫が割腹自殺した。

 1971年はというと、NHKでカラー放送が始まり、「仮面ライダー」が放映された。

また当時の佐藤栄作首相が現首相として初めて広島平和式典に出席した。

 

ちなみに翌年の1972年にはあさま山荘事件沖縄返還があるという、戦後日本の中でも目まぐるしい出来事が起きたような年代の一つであり、高度経済成長の中期に当たる。

また、1964年の東京オリンピック以後のカラーテレビの普及など、大衆の生活が移り変わりとともに安定しだした年で、地球外・未来の想像世界を取り上げたSFというジャンルが浸透・拡散の第一歩を踏み始めたのは、そうした目には見えないものや、決して手に入れられないもの、絶対に辿りつけない次元や世界を憧憬するためのフィクションとして必然的な文学の隆盛だったのかもしれない。